2013年2月19日火曜日

vol.651 一宮円空会と茶房万葉人


 ツーリング・レポート「東海・旅の足跡」をお読みいただき、ありがとうございます。

 今日は先月に引き続き(vol.642)、一宮円空会の講座に参加しました。
 講座では、長谷川理事長先生から、「ただ『人間のみ』の尊い使命あり」というテーマで、1、六道(今回の場合は迷いがある心の状態)から抜け出す生き方をめざすこと。2、人として生まれてきた喜びを日々に感じて(見出して)暮らすこと。3、絶対の幸福を見つけ出すこと。以上の3つを教わりました。
 僕としては、まるで学生時代に教わった講義(仏教学入門)を20数年ぶりに復習している気持ちになりました。
 講座の終了後には、一宮駅の近くにある喫茶店「茶房万葉人」で、他の生徒さんたち2名を交えて、楽しくお話させていただきました。


 このブログで、円空さんを取り上げる機会が非常に多くなったことから、改めて整理しておきたい。
 円空さんに関して、僕が心掛けていることは、1、円空さんの足跡を辿って、多くの円空仏を拝むこと。2、仏の教えを背景として、円空さんの思想(和歌等に表れた人生観)を深く理解すること。3、(素人ながら)円空仏を彫ること。以上の3点である。
 今の時点で、1は時間等の許すかぎり、ひたすらバイクを走らせて、巡拝中。2は学生時代に学んだ講義を思い起こしながら、長谷川理事長先生にご教示いただいている。3は「円空仏彫刻・木端の会」の山口様の技量をお手本としている。
 自分なりに考えた末の三位一体のアプローチであるが、1の円空仏の足跡を辿って、これまでに訪れた場所は、尾張、三河、美濃、木曽、滋賀、埼玉、三重の寺院と施設。2の勉強は、言わずもがな、奥が深い。3は不器用な僕だから、なかなか上達せず、悪戦苦闘中。とりわけ2と3に関しては、善き指導者に恵まれたことから、中途半端にならないように、と肝に銘じている。
 しかしながら、最も大切なことは、上記の3点を駆使して、円空さんの生き方を「まねぶ」ことにあると、恥ずかしながら、というか、遅まきながら、体得するに至った。
 円空さんは自らが彫った仏像を、その大半は小さな観音菩薩坐像で、そうしたいわゆる「円空仏」を多くの人たちに手渡した。ようやく僕も、円空仏を上手に彫る、つまり仏像をそっくりに模刻するのが目的ではなくて、円空さんのように、自らの彫った観音菩薩坐像を、ひとりでも多くの人に手渡して、喜んでもらえるといった高い次元に到達することが出来た。
 二千体仏を彫り上げたとき、円空彫りのスタートラインに立ったような気持ちがした(vol.592)と記したが、僕も円空さんと同じように人に手渡すための観音菩薩坐像を次から次へと彫り続けていると、円空さんが歩いた道と同じ道を歩いているのだなと、はっきりと感じるのである。今はただ円空さんの後ろ姿を追い続けたい。

 以下は余談で、今夜OAの「開運!なんでも鑑定団」にて、円空仏が登場することから、忘れずに見なくては。

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